日本美術刀剣保存協会 保存刀剣 南北朝時代 貞治頃 約660年前 古刀 上作 華やかに乱れる互の目丁子金筋頻りに掛る優品 刀 無銘 大宮 法量 説明 長さ
反り
元幅
先幅
元重
鎬厚
先重
鋒長
茎長
重量 67.8cm
1.2cm
3.2cm
2.3cm
0.60cm
0.73cm
0.46cm
3.9cm
20.3cm
726g 鎬造、庵棟、身幅広く、先幅広く、腰反り付き、中鋒やや延びる。鍛は、板目肌に、杢目肌よく交じり、地沸微塵に厚くつき、地景よく入り、映りたつ。刃紋は、焼き幅大きく、腰の開いた互の目・丁子刃・飛び焼き・蛙子調の丁子など交じり、足・葉頻りに入り、小沸深くよくつき、金筋・砂流し頻りに掛り、匂口明るい。帽子、乱れ込んで小丸。茎は、生ぶ、先細く栗尻、鑢目筋違、目釘孔二。ハバキは、金着一重。
備前大宮派は、同派の遠祖国盛が、山城国猪熊大宮より移住したことに始まると伝え、「備州長船盛景」などと長銘に切る盛景がその代表工とされてきたが、近年、その作風や逆鏨に切る銘字の共通性より、同工は近景・義景の系譜に連なる長船傍系の鍛冶で、むしろ「盛景」・「盛継」などと二字に大振りにきる鍛冶こそが、国盛の流れを汲む真の意味での大宮鍛冶ではないかとする新説が生まれ、従来の説に検討を促している。長船盛景の作域は広く、のたれを主調とするもの、丁子や互の目が交る変化のある華やかな乱れ刃、角互の目を主調とするもの、青江風の直刃など多彩である。この刀は、茎が深く反り、腰反りつく太刀姿で、杢目肌に、地沸微塵に厚くつき、地景よく入り、映りがたつ地鉄に、腰の開いた互の目・丁子刃・飛び焼き・蛙子調の丁子など交じり、変化に富み華やかに乱れ、足・葉頻りに入り、小沸深くよくつき、金筋・砂流し頻りに掛るなど相伝備前の特色を示す優品である。